サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

J1リーグ 第6節 サガン鳥栖対清水エスパルス

初めてメインS席で観戦したような気がしますが、明輝監督の声が聞こえたり森下がタックル成功したときの雄叫びだったりが聞けました。

何より選手の動きが見えやすかったので今後はサポーター席以外もありだなと思った次第であります。

 

空いているエリアを共有する鳥栖

清水の守備時のシステムは4−2−3−1で前からプレスをかけて奪いたいという意図が見えた。

そうなると鳥栖としては中央は数的不利になってしまいパスを出しにくい。ただ、ボランチ脇が必然的に開いてくることになり、鳥栖としては意識してそこを狙えていた。

この試合左のハーフスペースに小屋松が位置していたが、小屋松はボランチ脇で受けることを非常に意識しており、1番分かりやすいのは8分16秒のシーンで鳥栖ボランチ2枚に相手ボランチ2枚が食いついたとき、空いたスペースに小屋松が顔を出して高丘からダイレクトでパスを受け、高い位置で幅を取っていた内田へパスを送るシーンが見られた。

狙った意図が見られたし、練習でもやっていた通りのものが出せたのではないかと思う。

 

また、11分31秒のシーンになるが、ここでも小屋松がボランチ脇で受けた。そのときいち早く石井はSBーCB間を狙い、小屋松からパスを引き出していた。こういったこのスペース

で受ければ次にどこが開くというのを認識できていれば今後に大きな期待が持てると感じた。

f:id:koki135:20200724000116p:plain

 

守備だけではないエドワルド、そして成長する松岡

ここまでボランチ脇のスペースの話をしたが、当然ずっと空いているわけでもなくそうなると次なるスペースを見つけないといけないが、そのスペースを作り出していたのがエドワルドと松岡だった。

清水は4−2−3−1の2列目の3枚が比較的中央に絞り、囲んで取ろうというアクションを起こしていた。3枚が中央に寄るとサイドには大きなスペースが生まれることになり、そのサイドにパスを供給していたのがエドワルドと松岡であった。

24分18秒のシーン、エドワルドはバックステップを踏みながら松岡からパスを受けるためのコースを作り、パスを受けると大きく空いたスペースへ前進し、数的優位を作ることができた。パスを受けて簡単にサイドにパスを出すという選択肢をせず、ギリギリまで持ち出して、サイドもしくは縦に付けるパスコースまでドリブルをしたエドワルドの判断は守備だけでなく攻撃でも貢献度が高い。

 

松岡は中央で受けるのがキツければ原の右でボールを受け、相手のサイドバックの裏を狙う場面が見られた。ここで気になったのが松岡がパスを受けたとき原川が前半の初めに立ち止まってしまって松岡がドリブルするコースと被ってしまっていた。

原川はゴールした場面のように高い位置でパス交換しながらペナ内に侵入してシュートするのが持ち味だと勝手に思っているので、降りてこようとしないで高い位置を保って欲しいと感じた。得点後は松岡からのパスで裏を狙うなど積極的な動きが見られ、非常に良くなった。

f:id:koki135:20200724000217p:plain

 

原の横に落ちてボールを受けるときの松岡は良かったのだが、中央で受けるときは危ない場面があった。前半終わり間際の場面が顕著だが、相手の狙い通りの囲い込みに嵌り、奪われてしまいエドワルドのスーパープレーに助けられる形になった。

前半が終わるとすぐにベンチで指導されていたが、改めて味方と相手の立ち位置を確認し、あそこで受けるなというよりその立ち位置を利用しろと言っていたように思えた。同じ過ちは彼は繰り返さず、後半51分44秒では下げるだろうと思った相手の重心とは逆を突き、一気に前へドリブルをすることができた。

ハーフタイムコメントで明輝監督は状況判断を早くとあったがこういう狙いがあったのかもしれない。

f:id:koki135:20200724000157p:plain

 

やりたいことはできた後半の清水

後半の清水は攻撃の枚数をかけてでもパスで繋ぎ崩したい意図が見られた。特にボランチ2枚が片方のサイドの攻撃で崩すシーンが見えられたが、成功したときは怖い攻撃にもなったが、逆に中央はガラ空きだった。

また、清水は押し込んでダメなら逆サイドに展開しつつ、ペナ角に入り込んでくるエウシーニョに預け、クロスを狙うシーンも見られた。

押し込むことはできる清水だったが最後のところのシュートまでがなかなかうまくいかず、鳥栖としては奪ったあとガラ空きの真ん中から攻めたいとことだったが、押し込まれたところだたりサイドで奪うためなかなか速攻にも結ぶことができなかった。

f:id:koki135:20200724000256p:plain

それでもセットされた清水の守備を打開できたのは後半途中から質的優位を放っていたヨンウがいたからでもあった。

左サイドでの出場となったヨンウは早々と縦で抜けることを相手に見せ、飛びついてこないようになると裏に内田へパスを出すことができるし、時間を作るためその間に石井が流れてきてそこにパスを出すこともできヨンウとしては沢山の選択肢を持てた。

前半ハーフスペースでボールを受けた小屋松がいたため清水としてはどうしても中を閉めないといけなくなり、鳥栖は大外からの攻撃の起点が作れるようになり、そこからのズレで次は中が空くというような形を作らせていた。

 

個人的には清水の人数をかけたサイド攻撃を利用してカウンターを見たかったところではあるが、立田はいいプレーをしていたし、サイドから崩していくのは間違いではなかったと思う。

でも、やっぱり理想としては石井が降りてきて中央でボールを受けて空いた広いスペースを切り裂きながらラストパスを送るような速攻を見せて欲しい。思い浮かぶのが、鎌田みたいなプレー。

色々な方がユースの沼にハマる気持ちも分かったような気もする笑

 

石井と原川の関係でゴールを決めたように新旧のメンバーでのゴールをまだまだ見たいと思っているし、それを見れればサガン鳥栖の未来は明るいと思った。