サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

サガン鳥栖対浦和レッズ

サッカーって紙一重の戦いですね。前節も勝っててもおかしくないのになあっていう試合でしたが今節もそのような試合でした。こういう試合をものにできるかが上位に絡んでいける要因です。じゃあどうすればいいんだという話なんですが、結局はチームとしての成熟度が関わってくるような気がします。そんな意味でも分析には意味があるのではと思いつつ書いていきます。(私が分析したところで意味があるかわかりませんが笑)

 

目次

1.両チームのスタメン

2.浦和の守備

3.鳥栖の守備

4.鳥栖の攻撃

5.前半総括

6.後半総括

7.まとめ

1.両チームのスタメン

f:id:koki135:20190617181408j:plain

鳥栖は前節から両SHのクエンカ、安在に代わって小野とヨンウ、FW豊田に代わってドンゴンが入れ替わりました。心配なのがクエンカの欠場ですがどうなんでしょうか。

 

浦和は大槻監督に代わって柴戸と岩戸がスタメンで使われるようになりました。あんまり見たことがないので分かりませんが、両選手とも頑張る選手だなと思いました。大槻監督は理論的でもありつつハードワークを求めるタイプなのでそういう選手があっているのでしょうか。明輝監督と考えがすごく似ている部分です。

 

2.浦和の守備

f:id:koki135:20190617182502j:plain

図は鳥栖が左サイドに展開した場合です。

基本的に浦和のFWがキーパーと距離を詰めて、IHが鳥栖のCBとSBを見る

鳥栖のSBにボールが入ればWBがプレスに行って最終ラインはスライドで4枚にする

そのような形でした。

原川がボールをもらおうと降りてくると柴戸が付いてくる形になっており、自由にさせてもらえませんでした。

そして鳥栖はいつものクエンカがおらず時間を作っての組み立てはできずロングボールで相手を押し込んだところで戦うやり方でした。 

3.鳥栖の守備

非ポゼッション時は4−4のブロックを組んで守る形でしたが、浦和が最終ラインから繋ぐ際は鳥栖のSHが相手のサイドのCBにプレスをかけていました。そしてWBにはSBが付いて行きました。鳥栖としては前で奪って得点を奪いたいそんな意図が見えました。そのような守備に浦和は苦しいパスが続き、鳥栖に奪われるという時間が前半は多かったです。

ネガティヴトランジション(攻撃→守備)はいつも以上に強く激しくだったように見えました。涼しさもあってか体力の消耗をそこまで考えないで良かったからかガツガツいけていました。浦和に攻撃の自由を与えてないためにも素早く奪い返すがコンセプトでした。

 

f:id:koki135:20190617184524j:plain

4.鳥栖の攻撃

ポジティブトランジション(守備→攻撃)はWBの空いたスペースを狙っていました。それが前半9分のヨンウが抜け出して小野のシュートからの福田のシュートに結びつきました。1対1なら負けないヨンウの質的優位を見事に活かしたカウンターだったと思いますし、ここぞとばかりのチャンスだと思い鳥栖の選手は5人エリア内に入ってきていました。ただ、浦和の選手たちも戻るのは早くて数的には同数もしくは不利な状況でした。それでも決定機を迎えられたのはヨンウが2人を引きつけたのとドンゴンが内側に抜ける動きで相手を2人引きつけ後方の小野をフリーにしたからです。良かった場面なので図で書いておきます。

f:id:koki135:20190617190154j:plain

ポゼッション時は先ほど述べたように無理して繋がないようにしてロングボールを蹴っていました。ただ蹴るだけではなくて決まりごともあったみたいで小野が相手WGを引き連れた時にその空いたスペースにドンゴンが走り込みボールを収めてもらう役割を担っていました。サイドを狙っていたのは豊田がいなかったため、もしも中央に蹴り込んでそのまま回収されて相手のFWやIHに繋がれるのを恐れていたのかもしれません。また、ドンゴンは体を張ってキープする能力に長けているので最適な策でした。

f:id:koki135:20190617190658j:plain

5.前半総括

浦和は無理にIHやFWに繋ごうとしてそこでボールを引っ掛けてしまう場面が目立ちました。前半6分柴戸からIHにワンタッチで繋ぎそこから興梠が受けシュートに持って行かれた場面がありました。

f:id:koki135:20190617192459j:plain

浦和としてはこうした展開を狙っていたかと思いますが、鳥栖の4−4のブロックに阻まれていました。個人的にはナバウトと柴戸の関係性が合ってないなとも思い、ナバウトがボールを受けられるポジションを取れずに柴戸がボールを引っ掛けてしまう場面が目立ちました。

鳥栖は相手の展開を封じつつ、ヨンウのカウンターを仕掛けました。さらにロングボールで相手陣地まで侵入して奪われてもカウンターをされる前に奪い返し、鳥栖の時間を作りました。そんな中、前半17分の先制点は生まれました。先制点の場面は最終ラインを5人で守るので浦和は人に付く意識が強かったかと思います。宇賀神はヨンウの近くに付いており、CBと宇賀神との間にスペースが生まれており、そこにうまく福田がクロスをあげて、ヨンウが飛び込んでゴールを決めました。宇賀神としてはもう少し内側に立ってスペースを消しても良かったのではと思う場面でした。

その宇賀神に同点ゴールを決められましたが、こちらは鳥栖がスペースに対する意識が強いために一番捨てていた大外がやられた感じです。

浦和はこの大外を後半を使って 後半息を吹き返しました。

 

6.後半総括

得意のカウンターを仕掛けようにも仕掛けられず、パスコースも塞がれた浦和は右で作って左の大外の宇賀神に展開する攻撃を見せました。

f:id:koki135:20190617200646j:plain

 戸田さんが前半から浦和は単純にサイドに展開してもいいと思うと話していましたが、後半はサイドに展開することで1番大外のレーンが空いてくるのでそこを使っていました。さらに槙野がチャンネルラン(SBとCB間に入ってくる動き)でパスを受けようとする動きは鳥栖の最終ライン4人に対して浦和は5人となるので厄介でした。

その代わり逆にこちら側もスペースを得るわけで後半55分のヨンウのかなり惜しい決定機を生み出しました。

鳥栖は押し込まれてしまうとサイドを圧縮する形をとるので、先ほど述べたように大外が空いてしまいます。そのため後半の60分頃から再びSHがCBにプレスをかけに行き前から奪いにいくようになります。その結果鳥栖も若干息を吹き返します。

80分に安在が小野と交代で入り、マルティノスが柴戸に代わって入りましたが結果この交代が大きな分岐点だったかもしれません。

f:id:koki135:20190617202220j:plain

安在のタスクは相手サイドのCBを自由にさせず前からいく守備を第一にやらされていたかと思います。勝利が欲しい浦和はカウンターの応酬が生まれてきたことからもマルティノスを入れてよりカウンターを活かせるようにしました。

ただマルティノスはあんまり細かい守備はしないので鳥栖はCBからSBへの展開が楽になりましたが、浦和としては攻めさせておいてマルティノスのためのスペースが生み出せればそれはそれで良かったわけで。鳥栖はそうしたことを考えると攻撃は完結させなければなりませんでしたが、ファール覚悟でプレスに行った福田はかわされて、ボールは無情にも三丸の頭の上を通り越して興梠の元に行き、決勝点を与えてしまいました。

交代で入った安在は攻撃での、消極的なプレーでミスをしてしまって良い攻撃のリズムを生み出せませんでした。

結果的には勝負に出た大槻監督が当たった形になり、鳥栖としては引き分けでもいいけど勝ちたいなみたいな気持ちが出てしまって失点してしまいました。勝てそうな試合だったため気持ちが分かりすぎて攻めに行ったのは全く否定しません。けど、結果論ですが今思えば、勝ち点1でも良かったのかなと、、、

後半のまとめの最後に

戸田さんが鳥栖は福田が降りて4バックでボールを回してSBにつなげていってもいいかもしれないと言っていました。図解するとこんな感じでSBが浮いていました。

f:id:koki135:20190617210318j:plain

福田のところの守備の基準点をなくし、SBにマークしていた相手は福田に付かないといけなくなり小林が浮いてきます。そこでパスを受け小林が斜めにいる金崎にパスを出してヨンウもしくはドンゴンが裏に抜けるなどの動きを見せれば、良かったかもしれません。

 

7.まとめ 

鳥栖は連敗を喫してしまいましたが、戦えるチームになってきたなとも思います。前節、今節ともあと少しで勝てたのにそんな実感が湧いてくるような試合だったかと思います。そうした試合を増やしつつチームとしての成熟度が増していけばと思います。

今節はヨンウが使えることを証明したので次節の札幌戦はどういうメンバーでいくのか。個人的には5−4−1で最終ラインに福田を組み混んで金崎IHとかやってSHにヨンウとかでもいいと思うんですけどやらないですよね。クエンカが戻ってきてヨンウもどこかで使えるのがいいかと思いますが、ヨンウの使いところという嬉しい悩みが1つ増えたことは良かったかと思います。