J1リーグ 第2節 サガン鳥栖対大分トリニータ【実は前半よりも後半の方が良かった】
お久しぶりです。やっと会いたかったものに会える週末がやってきました。
試合自体は敗れてしまったのですが、前半はやれると感じた方は多いのではないでしょうか。ただ、試合を見返すと明輝監督も話してたように後半の方がやりたいような形でやれていたように感じ、後はどう相手ゴール前までにボールを運びシュートまで持っていくかという課題が見つかったような気がします。
せっかくなので試合中聞こえた指示も交えながら書いていきます。
いつも通りの大分トリニータ
大分の守備時の守り方の基本は5−2−3であり、この辺は昨年と変わっていないように感じた。なので鳥栖の攻め方は3枚の相手前線を掻い潜って中盤2枚の脇にボールを運ぶことが理想的であった。実際、松岡を経由して原川または本田にボールが渡り、理想を現実に変える途中までいったが、その後の連携が不完全であった。
気になった点が2つあるが、1つ目はサイドバックの位置の低さだ。特に1分57秒のシーンではせっかく相手のプレスをかわし、中盤の本田にボールをつけることができたのだが、難しい体勢のレンゾへパスが渡りボールをロストしてしまった。
この場面、サイドバックの森下が高い位置をとり、さらにチアゴが深みを作って3人の関係性が成り立っていれば相手のWBーCB間をレンゾが狙うことで大きなチャンスになっていた。
2つ目の気になる点は、小屋松はサイドに張りすぎているところである。6分37秒では内田、原川、小屋松が一直線に並んでしまいせっかく空いたWBーCB間を活用できなかった。(最終的にはWBーCB間に出たが、時間がかかり対応されてしまった。)
ただ、後半は比較的小屋松は間を狙おうとする動きは多くなり良かった。
もはやDFと化してしまった小屋松
これに関してはしょうがないところではあった。内田が相手IHの降りる動きについていき、
その結果高い位置をとるWBの松本が空いてしまい、パスが渡ってしまい小屋松が何度もプレスバックをする羽目になった。内田が松本に対応したとしても大分はハーフスペースを必ず突いてくるのでそこを埋める必要があった。
そのため4−3−3の最大の魅力である奪ってからの押し上げを見せることがあまりなく、ここまで下げさせると失点の確率は下がるが、得点の確率も下がる諸刃の剣ではあった。
解決案としては、アンカーの松岡にハーフスペースを埋めてもらうもしくは相手の右の前進をある程度許す代わりに原川を前に出さないという考えなどがある。
原川を前に出さなくても大分はセンターバックがハーフスペースを突いてくる(ここでは岩田)ため内田、小屋松VS松本、井上、岩田というように数的不利ができてしまうためあまり解決策にはならないような気はするので、松岡がハーフスペースを埋めた方が良さそうではある。
当然、明輝監督もそこらへんは気になっていて20分39秒には原川に「力、外を見ろ」ということ指示が飛んでいましたが、原川に右CB→右WBのルートを塞いでもらい小屋松の負担を減らしたかったようにも思えた。
実は出来の良かった後半
前半気になったところを林の投入で解決した。林の投入の意図としてはWBーCB間を狙いタメを作り折り返しのクロスを狙うようなイメージだった。
実際、後半開始早々そういった狙いが見られ、特に、49分30秒で中盤脇で原川が受け、内田に落とし原川に釣り出されたCBのスペースを林が狙う動きが見られた。
常にそうした動きが見られ、前述したように小屋松もWBーCB間を狙う動きをして、そこが狙えないのであれば動き直してサイドでもらうこともできていた。
個人的に1番惜しいと思えたシーンは63分37秒であり、本田が森下に落として森下は中へドリブルして侵入したが、ドリブルのコースに林が降りてきてしまい、若干森下と林が被ってしまった。後半開始早々から裏への意識があっただけに相手CBの裏を取れれば得点できていたはずである。
さらに攻勢を強めたい鳥栖は金森を投入して前から奪うようにした。60分23秒では明輝監督から「健志下がりすぎ」と言われて鳥栖の左サイドは前からの押し上げが連動していたが、逆サイドはそこまで連動できていなかった。その結果、大分の左サイドで選択肢を与えてしまい、失点シーンでは1番やられてはいけないDFの裏をキーパーから使われてしまった。
前半はデザインされたセットプレーから得点を奪えそうなシーンもあり、後半は前半の修正ができており、後は最後のゴールまでのイメージを共有できればというところまでいけたが、失点してしまいフォーメーションの変更をして、パワープレーみたいな形を取らざるを得なかった。ただ後半のような形が前半から取れていれば点は取れていたと思うし、次節は前半から林を見てみたいとも思った。