サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

なぜサガン鳥栖はフォーメーションを変えたのか

 

久しぶりの投稿です。

新型コロナウイルスサガン鳥栖の良くないニュースが多く流れる中で不安な日々を過ごす方が多いかと思いますが、少しでも明るい材料を届けようとタイトルにあるなぜサガン鳥栖はフォーメーションを変えたのかを考えたので、これから書いていってリーグ再開まで期待の持てるイメージを皆さんに植え付けていきます。

 

・4-4-2とは

昨シーズンまで使っていたフォーメーションである4-4-2についてまずは考えていきたいと思います。4-4-2は中央を閉めるような並びになっており、中央にあるゴールを狙ってくる相手に対して守りやすいです。

また、中盤と最終ラインは4人ずつおり、スライドしてスペースを埋めるとしても1人当たり17メートル(サッカーのフィールドの横幅を70メートルとする)動けば4-4のブロックを崩さず組織として守れます。

それに対して4-3-3の場合は前線は幅を取っており中盤も3人だし中央を守るという点で見ればかなりスカスカな気がしますよね。

中盤は3人のラインになり1人当たり23メートルになります。6メートルの差くらいたいしたことないと思われるかもしれませんが、皆さんが経験したであろう20メートルシャトルランを思い出してください。4人の中盤グループは90分間常に20メートル手前で切り返します。しかも片道を常に手前で切り返します。そう考えると運動量の差は3人の中盤グループと比べてものすごい差が生まれるはずです。

 

*4-4-2のとき

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*4-3-3のとき

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じゃあ4-4-2の方が守りやくていいんじゃないのという意見があるかと思いますがそうです、守りやすくどのチームにも落とし込めます。だけど4-3-3の方が柔軟性があり、成長の可能性を感じさせてくれるものというのを述べていきたいと思います。

 

・フォーメーションの意味とは

冒頭から4-4-2や4-3-3についてかなり雑に特徴を述べましたがよくフォーメーションは意味がないものと優秀な監督はいうときがあります。確かにボール保持をしている場面では今の時代ほぼ意味を成していないと言えます。

昨シーズンの鳥栖を例に挙げます。DAZNの選手紹介の並びは4-4-2でしたが、ボール保持のときそのまま4-4-2ではなかったはずです。左サイドではSBの三丸が幅いっぱいに高い位置を取り、クエンカが左のハーフスペースにその後方に原川がサポートする形を取り、福田、小林(原)は守備に備えたり、右サイドに展開したりするため中盤の位置に陣取り、右サイドは幅いっぱいにヨンウがいるといったように2-3-5のような形になっていました。

つまりどんなフォーメーションでも可変は可能で適材適所に人を置くことができます。

 

フォーメーションが意味を成してくるのは守備のときになります。

ボールを保持している側は主導権を持ち、意思を持ってプレーできるためわざわざ相手のフォーメーションに合わせる必要がありません。合わせてしまえば相手側の守備がやりやすくなるためむしろ自由に動いて相手を動かし、スペースを生み出すべきです。

一方、守備は相手に主導権があるので1つの基準を作らないと崩壊していきます。それを防ぐものがフォーメーションになります。

 

・4-3-3の守備とは

4-3-3のまま守るチームは世界を見回してもあまりなく、鳥栖も今シーズンをみる限りは4-1-4-1のような形で守っていました。4-4-2と比べて前線は1枚に減ってしまい、相手に後方のビルトアップを容易にさせてしまいますが、前線が2枚だとしても相手はアンカーが最終ラインに落ちて数的優位を作るチームは多いですので、それなら最初から前線は1枚で中盤を固めてしまい、選択肢を奪ったうえで、連動してプレスをかけようとしていました。川崎戦や札幌戦でキーパーまで下げさせたうえで選択肢のなくし、キーパーのパスミスを誘いチャンスを迎えるシーンをいくつか見たのを思い出していただけたらと思います。

4-3-3はこうした連動したプレスも可能になりますし、ウイングの片方を上げて4-4-2にもなります。

攻め込まれているときはアンカーを最終ラインに落とせば5-4-1にもなり中盤に組み込めば4-5-1にもなります。

そのときの自チームのメンバーや相手のやり方に合わせてどういったプレスをかけるのかの融通さが利くので最初に述べたように柔軟性があるといえます。

 

また、どのチームをみてもサイドが高い位置をとる傾向にあり、4-1-4-1の状態で奪えれば相手のサイド裏にウイングを走らせ、ハーフスペースにインサイドハーフが走り込むといったような攻撃の手数をあまりかけないでよくなります。

サガン鳥栖の今季のウイングの小屋松、ヨンウは縦に早く、インサイドハーフの本田、松岡などはとにかく走るといった選手の特性からみても奪ってから攻撃の組み立てがやりやすい答えが今のフォーメーションに行き着いたのかもしれません。

 

今後レビューを書く際は守備から攻撃の展開を中心に書いていこうと思いますので、皆さんも守備から攻撃の際のアグレッシブな鳥栖を注目してみてください。

 

引用元 footballista 今、あらためて「フォーメーション」を考える