サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

サガン鳥栖対コンサドーレ札幌

・うまくいかなかった前半

鳥栖はうまくプレスを嵌めたかったが、全く嵌らなかった。

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札幌はCBが広く開いてCHの2人はどちらかが降りてくるパターンは取らず、ミンテ、クソンユン、福森、深井、宮澤の5人で回す形を取っていた。

金崎が主に宮澤についていたのだが、深井はだれが見るのかというところが曖昧になっており、小野、松岡がいくにしても降りてくるチャナティプを気にしてがっつり嵌めにいくことができなかった。

結局、図のようにひし型の形で、回されて鳥栖のプレスは無効化され札幌のペースにもっていかれた。

結果論だが、個人的には前半初めから用意していた金森を豊田の代わりに使うのも有りだったのかなとも思えた。前プレスがうまくはめたいのであればミンテ、福森、深井は金崎、金森が見て、ラインを高く設定したうえで、クソンユンに蹴らせても良かったのではと思った。

 

・困ったときのジェイ

鳥栖は困ったときの豊田だが、札幌は困ったらジェイに当てることで鳥栖のプレスがうまく嵌っても逃げられてしまった。

19分のシーンでは小林も前に出て嵌めにはいったが、深井を経由して菅から鋭角のパスをジェイが受け、うまく抜け出しそうな場面であった。

斜めからのパスであることでヘッドで競る必要なく、ボール回収隊も必要なく、ジェイ1人でゴールまで奪える攻撃パターンであった。

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・右サイドになんとか活路を

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前半の途中から小林が高い位置を取ることになりチャナティプは小野を気にして小林に付くわけにもいかずフリーになる場面が見られた。そこで菅を引き付けたところで裏を小野が使う場面が見られた。こうした場面が何回か作れれば良かったのだが、小林と小野の関係性があまり良くなく、とりわけカウンターのときにはどこに繋いでいくのかが見えてこず攻撃が停滞していた。

 

・ジェイとチャナティプの見事な関係性

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前述したとおりジェイにうまく収められたが、降りてきて収めることでCB2人を引き付けることでその空いたスペースをチャナティプが使う関係性が見られた。

鳥栖はマークの受け渡しがチーム全体としてうまくいっていないときが多く、札幌としてはそこをうまくついた形であった。

 

・ヨンウで活性化した後半

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 後半に入って右サイドにヨンウが入ることで幅を取った攻撃がよりできるようになった。ヨンウは1対1ではこの試合質的優位に立っており、また、ヨンウがWBを釣ることでその裏を使う動きも活発にみられるようになり、後半の鳥栖はそこを起点に惜しいシーンが増えていった。

 

・中盤で活きる小野

前半はサイドで使われていた小野であったが、後半は中盤で使われたが、この采配も良かった。札幌は時折2人で前から嵌めにきたが、小野がその脇に降りることでパスの受け手として活きるようになった。

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 80分のシーンでは小野から三丸へ素晴らしいスルーパスが出たがこのシーンドンゴンはニアで潰れて欲しい場面であった。

小野がうまいのは最初真ん中の位置にいて受けられない位置だとポジションをずらしてもらえる位置に動くところだ。原川、松岡よりもここらへんの動きが秀逸で個人的にはこのスムーズさをチーム全体に取り入れて欲しいところではある。