サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

サガン鳥栖対ジュビロ磐田

・両チームスタメン

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・両チームの前半

ジュビロ磐田

前半のジュビロはやりたいことが正直分からなかった。今野を下げてダウン3の形をとるがSBはそこまで高い位置を取るまでもなく、鳥栖のSHの前でボールを受けてしまいそこでやり直しをするという選択が多かったように見えた。

高い位置を取らなかった理由としては前線の豊田、金崎、クエンカ、福田のショートカウンターを恐れてたのか、ポゼッションを高めて何かをしたかったのかだとは思うが、結果的には高い位置を取らなかったためにジュビロは失点してしまったと思うし、ポゼッションを高めて何がしたいのかよく分からなかった。

 

鳥栖の先制点

まず11分に鳥栖が得点できた理由としてジュビロは前からプレスにいく選択をしたが、中盤と最終ラインが押し上げられていなくて豊田に深いところで競り負けてしまう。そこからクエンカがボールをもつのだが、その時点ではまだ鳥栖としては4対3の数的不利であった。ただ金崎にボールが渡ったとき4人の意識が金崎へ向き、結果的には金崎+クエンカ対4人グループという数的有利にもっていかれてしまう。

ジュビロの問題点は攻撃でも守備でもラインを低く設定してしまったことがエラーの1つ目であり、それで済めばよかったのだが2つ目のエラーとしてSBとCBの間を埋める意識が全くなかったことだ。あの場面誰か1人でも埋める動きをしていればクエンカはあんなに余裕をもってゴールを決めることはできなかったし、ジュビロがいかにボールを基準に動いてるかわかるシーンでもあった。

 

鳥栖の場合

ジュビロ目線で書いてしまったが、一方の鳥栖はどうかというと要所要所でジョンスがCBとSB間を埋める働きができており、攻撃面でも先ほど述べたようにクエンカが使える動きができていたり原川もそのコースを使おうとしていたりした。

ただ原川がCBとSB間を使う動きでみせたところで残念なシーンが1つあった。それは13分のシーンでクエンカがボールを原川に出したのだが呼吸が合わなかった。それは原川はCBとSBが埋められているにも関わらずその間を走ろうとした。クエンカはそこで原川が受けるのは無理だと判断したためSB裏の方に出した。お互いのもらうところの意識が違ったのだが、この場面ではクエンカがSB裏に出したように原川はそこに走るべきであった。そうした動きを見せるとCBは原川についてきてさらに内側が空きそこを使えることになり得点に結びつきやすい。

ずらしてずらしてどう使うのかそこをもう少し見せて欲しかった。

 

ずらしてどう使うのかというところでジュビロが意識して狙ったのかそれとも福田の守備の方にいきたくなくてたまたまそうなったかわからないが、原川のところを動かして攻撃の起点を作る動きはジュビロの前半の攻撃で唯一煩わしかった。

 

福田の守備

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やっぱり福田は凄いなと思わざる得なかった守備であった。1人でCBとSBを見ることができ大井としては福田がプレスにくるし、SBに出したとしてもまた福田が追いつくしみたいな感じで福田の方から崩されることはほとんどなかった。

そうなるとクエンカ、原川サイドがねらい目にはなる。

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上原が左後方に下がることで原川を動かしそこの空いたスペースを使う場面がみられた。9分のシーンがそれが顕著に出ており、空いたところを藤川が使い、攻撃の起点にしていた。ただこのシーンでも右SBが高い位置を取っていることはなかったので大きなピンチになることはなかった。もしも大南が高い位置を取っていると、一気に三丸の裏に抜け出すことができ、松本、もしくはルキアンに決められていた可能性があった。SB( WB)が高い位置を取り一気に大裏を取るのは大分トリニータで良く見る形であり、似ている形でもあったが、何回も言うようにジュビロのSBはポジショニングが低かった。

一方の鳥栖は基本的に三丸も金井も高い位置を取る。ジュビロがそれにお付き合いして6バックぽくなった場面があった。

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5分のシーンだが、極端な図ではあるがこのような形になっており、ジュビロは6-3-1のような形だった。そうなるとまず1のところはジョンスが楽々運べることになり、3のところでも脇で福田が余裕をもってボールをもらうことができた。最終的にはポストプレーに強い金崎に浮き玉のパスを預けたが、残念ながらゴールまでは結びつかなかった。ただ、相手の配置を考えたうえで、徐々に攻め込んでいくスタイルは浸透しているなと思える場面ではあったし、今までだと、豊田にロングパスであとは拾えたらラッキーくらいな博打にも思える展開を選択することが多かった鳥栖において成長がかいま見える場面でもあった。

 

・試合を通しての総括

この試合個人的な感想としては後半の後半あたりまでは鳥栖の試合後半の後半からはジュビロの試合になってしまった。ジュビロが単純にルキアンとアダウイントンに蹴りこんでくるのは怖かったし、その脅威はジュビロにこれでいいんだと思わせてしまった。だからこそ押し込んで相手を動かして思うようにさせないべきであったのだが、結果としては豊田へのロングボールに頼ってしまった。相手を動かして追加点を奪うべき試合だったように思える。

ただ、ここで勝ち点を取れたのは大変大きくて、3勝2敗でいけば確実に残留はできるでしょう。そのためにはまずマリノス戦にかつか負けるかで大きな差になるかと思います。なので次節が大きなターニングポイントになるでしょう。