サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

サガン鳥栖対川崎フロンターレ

点が取れない、勝てないそんな週末。

なんとか勝たせてあげたい…そんな安西先生の言葉を借りたくなるような試合でした。

 

◻︎形になってきた攻撃

◻︎鳥栖の組織的な守備

◻︎川崎の修正力

◻︎今後の課題

 

 

◻︎形になってきた攻撃

①義希の効果的な飛び出し

4分32秒の前半早々義希が長い距離を走り、相手CBの前に走り込むでチャンスが生まれました。

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このシーンでは秀人が降りることでCB2枚と合わせて3枚、それに対する川崎は小林、知念の2枚で鳥栖は数的有利を保てています。

 

義希は1度真ん中で受けようとしましたが、小林と知念が真ん中を締めたので、そこでボールを受けるのは諦めました。

 

一見すると川崎は4-4-2の綺麗なラインを保ててるようにも見えましたが、クエンカが川崎のDFと中盤の間に立つことで舞行龍と下田がどっちが見るの?という迷いが生じていました。

 

そこで、義希は当初いたポジションを捨て、一気にアタッキングサードに向かい舞行龍の背後を突くことができました。

 

前の記事で書いた4つの優位性のうちクエンカの位置的優位性を活かすこともできたシーンだと思います。

 

35分にもパスは出ませんでしたが、裏を取ろうとする動きが出ていました。

裏を取ろうという動きでは相手DFラインを下げると同時に相手のライン間にギャップが生じてきます。

パスが通らないとしてもそこの間を使えるようになればやり直しの攻撃をせずに、効果的な攻撃を続けることができます。

 

②義希に呼応するように三丸も飛び出す

個人的に好きなシーンは45分30秒くらいのシーンです。

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原川がボールを持ったとき3対3の数的同数でしたが、義希が走り出すと同時に三丸も走り出し、付いていく相手としてはボールの出し手も見なければならなかったので、対応しづらく、実際にこのシーンでは三丸に上手くボールが通りゴールに迫りました。

今までだとボールを大事にして足元で受けたがる傾向にありましたが、スペースを見つけて裏への飛び出しを心がけていたのかな?とも思えました。

 

③クエンカを活かして飛び出す

今までクエンカが出た試合では、とりあえずクエンカに預けておこう、なんとかしてくれるだろうという感じでそこで受けても効果的ではないところでもパスを出していました。

今節の試合ではむしろクエンカを囮に使い、空いたスペースを使えてました。

 

◻︎鳥栖の組織的な守備

ここ最近守備は失点こそはしていますが、組織的に守れています。

川崎に対しては明確に中には通させない、通させたとしても4-4のライン間で挟み、ボールを回収する、そんな意図がありました。

鳥栖は大島もしくは下田に通させたくないためクエンカ、金崎の2人でCBからのパスコースを遮断

→高い位置を取るSBの2人には攻められているほうには着くがもう片方はマークにつかない

→もしも通されたときはスライドしてマークにつき直す

そんな守備の仕方でした。

 

◻︎川崎の修正力

前半14分過ぎから川崎はCBの2枚と下田さらに大島を加えた4人でビルドアップの出口を作りだしました。

鳥栖の金崎、クエンカの2枚のプレスに対して、4枚だとパスコースの限定もできずに自由にさせてしまいます。

14分53秒のシーン

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舞行龍にボールが入ったとき、秀人が松岡にプレスをかけろと手で示していました。

ここで松岡が行った結果4-4-2のバランスが崩れ、原は阿部と登里どっちみればいいの?

そんな状態になり、パスが出そうであった登里に行こうとしたときに原の空けたスペースに走りこまれてしまいました。

ここで、松岡がいくのであれば、登里のパスコースを消しながらプレスする→秀人は阿部のマーク

登里に通ってしまった場合は秀人がスライドして対応する→阿部は義希がつく

そのような選択が必要だったかと思います。

 

または、後ろ4枚で回されたくないのであれば、1枚前線にプレスにかけにいく枚数を増やしてボールを奪いにいくなどの明確にすべきだったところかもしれません。

前に1枚増やすことで中に通されやすくなるかとは思いますが、下田、大島の2枚が最終ラインに組み込まれていることを考えれば、前線から奪いにいっても良かったのでは?と思います。

 

 

◻︎今後の課題

川崎フロンターレは知念、小林、家長、阿部で4レーンを構成、サイドバックで残りの1レーンを埋めておき、必ずそれぞれのレーンには人がいるので、迷いなくそこにボールが出せていました。

鳥栖の場合はまだどこに人が走りこんでくるのか、どこに走りこめばボールがでるのか、そこがもう少し足りないです。

 

また、川崎の場合は効果的な縦パス、斜めの楔のパスが織り交ぜてあり、目線をそこにいかせてしまい、その間に誰かがフリーになりボールを受けることができていました。

鳥栖は横のパスだけで攻撃の流れが止まってしまうことが以前よりは少なくなりましたがまだあります。

36分のシーンでは秀人→原川→金崎→三丸→クエンカと少ないタッチ数で繋がっていきましたが、クエンカから原へのパスが横へのパスとなってしまい、そのパスを受けるまでに川崎の守備体系を整えさせてしまいました。

より効果的なパスをだしつつ、今節のような裏への積極的な飛び出しができれば必ず点が取れるはずです。

明後日の試合は是非とも複数得点で勝利を…

と願うばかりです。