サガン鳥栖 分析ブログ

サガン鳥栖について考察していきます

サガン鳥栖対ヴィッセル神戸

目次 

 ①鳥栖の意図

 ②鳥栖の攻め方

 ③今後の課題

 

 ①鳥栖の意図

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 神戸の攻撃時の図のような立ち位置に対して鳥栖は当初4-4-1-1で臨みました。

2CBに対してトーレスが間に立ち、基本的にはカウンターに備え、トップ下の松岡はビルドアップ時にパスを受けようとする三田についていました。ただ、山口も受けようとしてくるので、そこに対してはよしきが前進してパスの出口を塞ぐ意図が見えました。

  

 ただ、やっかいであったのが神戸の新加入選手ダンクレーの存在でした。

トーレスは間に立つだけなのでキーパーからセンターバックのどちらかにパスを出すことは容易でダンクレーから攻撃の組み立てを行なっていました。ボールを持つと自分でパスの出しやすい角度を作り出し、ハーフスペースに降りてきたポドルスキーにパスを出すことで攻撃の起点にしていました。

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 それに対してトーレスは前半途中からダンクレーに対してパスを出させないようにするためにダンクレー側にポジションを置いていました。

 その結果、大崎へのパスが多くなり、ダンクレーほどには正確なパスやドリブルでの前進などがなかったのでミスを誘い、鳥栖は徐々に落ち着きを取り戻していきました。

 

鳥栖の攻め方

 前節の名古屋戦は5-4-1でトーレス頼み、もしくは金崎のサイド突破頼みのところがありました。ただ、今節は松岡という攻撃に参加できる選手をトップ下気味におくことでトーレスと2人でカウンターを形成することができていました。

 

 また、時折サイドでの崩しも時折みせており、ブルシッチのクロスや、金崎のドリブルがシュートまで結びつけばというところまではいっていました。

 

 松岡に関しては正直初めて見たのでどんな選手かもよくわからなかったのですが、守備タスクもきちんとこなして、ボールも収まることができ、ドリブルで前進できており、見ていてわくわくする選手でした。17歳とはとても思えない…

 本人はカンテみたいな選手になりたいと言っているようです。今の鳥栖に足りないのはカンテのような選手がいないことだと思っていた私にとってはなんとも期待の持てる選手なんだと思いました。ちなみに身長体重がカンテとほとんど同じみたいです。

 

③今後の課題

 どこのチームでもそうなのですが、ハーフスペースにボールを入れるのは嫌がりますし、攻撃の起点とされてしまいます。

 鳥栖は前節の名古屋戦でも前半からハーフスペースにボールを入れられることで攻撃の起点とされていました。なぜ鳥栖がハーフスペースにパスを通されるのかというと、中盤のサイドの選手が上がってくるサイドバックの選手につきすぎています。そうなることで今回の場合でいうと金崎、よしきの間が空いてしまい、ハーフスペースにボールを通されるようになります。

 

 ではどうするべきかというとこのように

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金崎と原の位置を若干中盤よりにすることでハーフスペースの進路を遮断できます。(後半はこの形を取っていました)

しかし、サイドバックへのパスは通りやすくなるのでそこに入った瞬間にスライドして対応しなければなりません。今期まだでていない福田はスライドの動きが非常に優れており、彼の不在がこうしたところで大きく響いています。

 

 また、ポゼッション時の攻撃についてもせっかくスペースに走りこんでいる選手がいてもそこを使わずに、近くの選手にパスを出してしまい、渋滞して奪われてしまうシーンが目立っています。どこに選手がどう走り込むのかの意識が統一されていないようにも思えます。

 

 ただ、名古屋戦、神戸戦と2試合ゴール裏で見ていると全然ダメだと思っていましたが、試合を見返すと、やろうとしていることが見えてきて、2試合とも勝っていてもおかしくない試合でした。

 

 さっそくカレーラス監督への批判が飛んでいますが、まだ前述の福田やクエンカ、イバルボ、小野は出場していませんし、監督の目指すサッカーの理解が試合を通して深まれば連勝していくはずです。

 

おわり